教習所での運転から運転する機会が無く数年たってしまった方にお勧めなのがペーパードライバー講習。
私は運転免許取得後約15年間、車を運転することなくずっとペーパードライバーでしたが、車で通院できずタクシーで通院した経験から、ペーパードライバー向けの教習をいくつか受けて、ようやくひとり運転デビューした経験があります。
どういった講習をうけて、どれくらいの回数受けたら運転に自信が持てるのかは人それぞれですが、私がペーパードライバー教習を受けた話をご紹介したいとおもいます。
ペーパードライバー講習を受ける理由
教習所の運転から時間がかなり経ってしまい、かなり、というかほぼ運転感覚がなく、このまま運転すると危険だと思い、ペーパードライバー教習を受けました。
ペーパードライバー講習は、教習指導員資格を持つ方が指導してくれますし、補助ブレーキを取り付けた車で運転するので、より安全に運転に取り組むことができます。
ペーパードライバー講習を受けたほうがいい理由をいくつか挙げてみます。
助手席で指導してくれる人がいない
車の運転の練習をしたいと思っても、運転を指導してくれる同乗者が必要です。
ただ、誰かに乗ってもらっても、練習中、的確な運転アドバイスがもらえるか分かりませんし、万が一なにか事故でも起こるととんでもないことになります。
また、夫に同乗してもらうとうまくいかない、というケースもあると聞きました。例えば、命令口調だったり、ヘタクソと非難されれば、運転者は落ち着いて運転できないでしょう。また、私の夫のように「まだ死にたくない。」と乗車を拒否するパターンも意外とあるかもしれません。
緊張しすぎて車を運転できない
自分の車の鍵を持っていて、車が使える状態で、エンジンをかけるものの、緊張して公道に車をだして運転するところまでたどり着くことができませんでした。助手席に運転指導に慣れた方がいらっしゃれば安心ですね。
車を所有していない
ネットで「ペーパードライバー」について検索していたら、車の免許をとったものの、自分が運転できる車を所有していない方が意外と多いようでした。
都市部だと、カーシェアで車を借りて練習するケースもあるようですが、ペーパードライバー教習所の講習なら、ペーパードライバー教習所が所有する車で運転レッスンを受けることが可能なので、カーシェア代金を浮かせることができます。
何回か受けたら、カーシェアで借りてひたすら練習となるようです。カーシェアの料金や仕組みを各社検討しながら車両予約をとっていくので大変そうですが、車を所有しなくても運転できるようになるなんて、時代は変わりました。
カーシェアでの練習事例はいくつかサイトで紹介されているので目を通してみると、自家用車とは違った緊張感があって参考になります。
近隣のペーパードライバー講習を調査
私の場合は地方都市に住んでいるので、車の必要性が高いため、ペーパードライバー講習を行っているところがいくつか見つかりました。
[その1] 自動車教習所のペーパードライバー教習
自動車教習所なら、ペーパードライバー教習を開設しているところも多いようです。教官が教えてくれますし、車も助手席にブレーキがあるため安心です。
ただ、ペーパードライバー教習といっても、各自動車教習所で内容が異なるようです。
私の場合、家から通える距離の中に2箇所自動車学校があったものの、教習所のホームページにはペーパードライバー教習の詳細が分からなかったため電話で確認したところ、一箇所は学科教習と運転講習の2回セット、もう一箇所は運転講習のみで何回受けるかは受講者の自由、という形でした。
料金はどちらの教習所も1マス50分5000円ちょっとといった風です。(※2015年頃の価格です。)ひょっとしたら、この教習所の価格がこのあたりの相場になるのかもしれません。
[その2] ペーパードライバー教習専門スクールでの出張個人レッスン
インターネットで「ペーパードライバー」と検索すると、ペーパードライバー教習専門のスクールがいくつか出てきました。
指導してくださるのは教習指導員資格のある方ということで、運転に不慣れな方の指導に慣れている点で非常に安心です。
また、自分の車で自分の家の近くを運転できるので、家の近くの商業施設に行きたい、子どもが通っている保育園まで送迎したい、運転が難しそうな場所があるから一緒に練習して欲しい、といった運転の練習希望が具体的にある場合、叶えられる可能性もあります(本人の運転技能による。)。そして、費用も自動車教習所とそう変わらないようでした。
使用する車は、補助ブレーキつきの講習車を選ぶことができるスクールもありますが、どちらかというと、自分の車に補助ブレーキを取り付けて指導を受けるほうが主流にみえました。講習車とサイズ感が違う車を所有しているなら、自分の車のほうがより実践的ですね。
[その3] タイムズレッスン
タイムズレッスンは多くの貸し駐車場を所有するタイムズが、駐車場での停車を指導してくれるというユニークなサービス。
https://www.timesclub.jp/member/view/open/tdlesson/list.jsp
指導資格を保有するスタッフが補助ブレーキがついた教習車でマンツーマンで教えてくれるにもかかわらず、料金は無料。なんて太っ腹なんでしょう!このレッスンでは公道を走らないようですが、駐車がどうしても苦手な方にはとてもいい内容ですね。
タイムズレッスンの開催日時は会場によるので、レッスンを希望される場合は、タイムズレッスンのサイトか、facebookをチェックするのことをお勧めします。関東、近畿では比較的開催数が多いようですが、私の住む中部地区ではあまり開催がなくて残念でした。地域差があるようですね。
[その4] JAFの講習会
JAFでは運転に関する様々な講習会を開催しており、その中の1つである「ニガ手克服講習」では車庫入れ講習を行っています。近所にJAFがある場合は検討してもいいかもしれません。
ただし、会員限定のセミナーなので、会員の年会費は必要になるはずです。普段車に乗っている運転者さんがすでにJAFの会員なら、講習を受ける方が家族会員になる必要があるかどうか確認してみてくださいね。
それにしても、数年前にホームページを確認したときは、ペーパードライバー向け講習もあった記憶があるのですが、今は50歳以上のシニア向け講習が増えたように感じます。時代の流れですね。
ペーパードライバー教習を受ける
私の場合、自動車教習所のペーパードライバー教習を1回、ペーパードライバー教習専門スクールでの出張レッスンを2回の計3回受けました。
自動車教習所のペーパードライバー教習を受ける
私のペーパードライバー講習を担当してくださった教官は、自分より年上のベテラン風の方。
運転場にある教習車に乗り、久々の運転でおそるおそる車にエンジンをかけ、ギアを変えて発進するのもやっとの私に、左の助手席から静かに指示をしてきます。まだ私が若い頃だったら緊張から怯えたかもしれませんが、こちらも年をとっているので、適度に緊張しつつも落ち着いて対応できます。指示通りできそうならやって、できなければ「分かりません」と答えつつ、淡々と講習はすすみました。
そんな中、今でもよく覚えているのは、クランクと急ブレーキの練習です。
教官から「クランクに入って」という指示がでたので、外周からクランクに入ったのですが、どうハンドルをきればクランクを進めるのか分かりません。
隣の教官はこちらが車を進めるのを待つようにじっと黙っています。
緊張の中の沈黙。
なにかしら助言をいただのかもしれませんが、どうやって抜けたか覚えていません。教習所での指導はとにかくプレッシャーがかかる、という印象が強く残りました。
一方、急ブレーキの練習は、40キロ程度の速度になったらブレーキをグッと踏むというものでした。
踏み込んだ瞬間、車のタイヤが少し滑って止まり、その瞬間シートベルトや体に強くググッと力がかかりました。
もし後部座席の子どもがチャイルドシートのシートベルトをしていなかったら、前へ吹っ飛んでしまうでしょう。
公道では、急ブレーキを踏まなければいけないシーンもでてくるだろうし、さらに高速運転中のブレーキは大変なことがよく分かりました。急ブレーキの練習は公道では難しいので、教習所でしか体験できないものですね。
教習所のコースには、運転しずらいものがたくさんあるけれど、運転に必要な要素がつまっているのかもしれません。
ペーパードライバー教習専門スクールの出張レッスンを受ける
一回の教習で自分で運転できるようになればいいのですが、とてもじゃないけれど敷地から車をだして、一人で近所を運転する気になれません。
仕方が無いので、ペーパードライバー教習専門スクールのレッスンを追加で申し込むことにしました。運転したい箇所への車の移動に時間がかかりそうだから、2時間コースを選択し、WEBで申し込みました。
スクールの方からメールで返信があり、「自宅周辺の簡単な道路で技量確認後、希望の経路へ向かいます」とのこと。近所に細い道がいくつかあるのに、私の技量で目的地までたどり着けるだろうか…。
教習当日、来てくださった方は、男性でした。早速我が家のミニバンに補助ブレーキを取り付けていきます。補助ブレーキは、高齢者が持つようなステッキみたいなものでした。
あらかじめ伝えていた練習の希望などを確認して運転をすすめます。
ところで、これでブレーキ効くの?と疑問だった補助ブレーキですが、停止ラインがあるところでガツン!と助手席からブレーキがかかりました。
「そこ一時停止!ちゃんと停止しなきゃだめでしょ!」
まるで教習車に乗っているかのよう。自分の親族や友人に教わったら、一時停止もふんわり停止で進みそうな、人通りのないところだったのですが、一時停止は一時停止。学校の先生に習っている感がビシビシ伝わってきます。
しばらく家の周りをグルグルしたところ、近くの駅に向かう許可がでました。周辺の道自体は先生よりも私が詳しいのが不思議な感じ。どこに行く?どういった練習したい?という希望をきいてもらえる点が、教習所との違いかもしれません。
講習時間を2時間でとったこともあって、近所を広くまわることができ、その間、運転中気をつけることや自分の運転癖、車の操作方法などもたくさん教えてくださいました。
練習を終えて自宅になんとか車を駐停車した後レッスンの振り返りをするのですが、先生が「助手席からみていると、運転中前方以外に視線がいかないので怖いです。」とおっしゃっていたのがすごく心に残っています。
助手席から運転者の視野の狭さを気づいても、恐怖を訴えることなく、静かに指導する。教官は耐えるものなんだなぁと、とても申し訳ない気がしました。でも、先生のそういった静かな気質もあってか、私は教習所よりプレッシャーを感じず疲労することがなかったです。
公道にでて練習は出来るけど自分の家の敷地に駐車するのがやっとなので、別日でもう2時間教習を追加しました。駐車場の広いスーパーで駐停車する練習が中心です。いくつか場所を変えて駐停車のレッスンをして、時間がかかるけれど車を止められなくはないところまで成長したので、いったんここで出張レッスンは終了することにしました。
後日、レッスンのは振り返ることができるよう、先生がメールで運転中気になったところをぎっしり文章で送ってきてくださってました。この点も教習所とは違いますね。
ペーパードライバーの運転練習時間を少なくするには
講習をたくさん受けるのも、運転のためになるとは思いますが、何回も受けるとお財布が苦しいです。私がペーパードライバー講習を受けて気づいた点をいくつか上げます。
1.事前にイメージトレーニングをする
数年運転していないと、どう運転するかかなり忘れています。その状態で講習を受け、イチから説明してもらうとなると、講習時間がかかったり、講習回数が増える可能性もあります。自分の車をどうやって動かせるかイメージトレーニングをしたり、車を動かさずともエンジンをかけたり止めたりしてみたり、車の説明書を読んでおくといいでしょう。ウィンカーの出し方、ライトのつけ方、ワイパーの動かし方など。操作が分からないと、運転中「あれー?ライトがつかない!これはハイライトだ!」と混乱して、運転に響くこともあるので、一通り必要な操作を覚えておきましょう。
また、運転については、車の助手席や後部座席から一緒に運転するイメージするのが役立ちます。自宅への駐停車ではどの方向に車を向けてからバックすればいいか、目印をつかんでおくのもいいでしょう。ついでに、交通標識の意味も思い出しておくといいですね。
2.初回運転講習の時間は短めに
久々の運転はかなり緊張します。人にもよると思いますが、緊張した状態でいろいろ教えてもらっても、あまり覚えられない気がします。運転講習を受けに行くのが面倒だから、という理由で初回から多くの講習時間をとって一気に講習をうけても、緊張が抜けないまま何時間も過ぎてしまうかもしれません。初回は短めにして、徐々に時間を増やしていったほうがうまくいく気がします。
また、この前読んだ脳科学の本の中に、脳は寝ている間に昼間に得た情報を整理する、という働きがあると紹介されてました。勉強の暗記だけではなく、ピアノの練習など技能系の作業にも有効らしいので、運転も1日にたくさん運転練習するよりも、適度に分割して講習したほうがよさそうです。
3.ペーパードライバー向け動画をみる
Youtubeにはびっくりするぐらい運転者向けコンテンツがあふれています。私はペーパードライバー向けの本を読みましたが、断然動画のほうが分かりやすいです。
駐車や練習方法など、様々あるので見てイメージをつかむといいですね。
4.講習の受け方を工夫する
講習を続けると、費用はかかりますが、運転に関してたくさんの運転情報がもらえるので、回数をけちらないのもいいと思います。でも、運転はすぐに上達するものでもありません。講習をうけるなら少し間をあけて、自主練習 → 講習 がよいように思います。公道にでることのできる個人レッスンだったら、自分で運転していて困ったことを質問できますし、いろんなケースが練習できるとよりいいですね。
私の場合、これ以上運転レッスンを重ねても、すぐに運転技術が伸びることがなさそうだったので、計3回でペーパードライバー教習を受けるのを辞めました。講習を受けた総時間は約5時間、金額はおよそ2万5千円プラス消費税といったところでした。
その後は、車の往来が少ない時間に近所で練習し、駐車場が広いスーパーで、空いている区画で下手な駐停車をする日々を1年ほど続けて、ようやく運転時のプレッシャーがなくなり、少し運転が楽しくなってきた気がします。
それでも、近隣は日中は車が多い地域なので、新しい行き先は、運転中に動揺しないよう曲がる交差点の把握や車線変更のイメージトレーニングがかかせません。Google mapの航空地図もかなり役に立ちます。
車が乗れると世界が広がりますよ。頑張ってください!